木材のカーブ

アアルトのアトリエの数ある家具の中で、
脚がカーブする木材の家具。

フィンランドは森のイメージがあるものの、マツ・モミ・白樺など、あまり強度の優れた木材はなかった。アアルトは成形合板とフィンランド独自の「挽き曲げ」技法を活かして、強度のある家具を開発しています。

右2つのスツール60は1933年発表されたもの。もともと、アルヴァ・アアルトが設計したヴィープリ図書館で使用するためのもの。曲げの技術により芸術的な家具の発展に。

1935年には、Artek社(コンセプト:Art+Technology=Artek)が設立され、今もなお数多くの家具を受け継いでいます。

プロセスのサンプル(左から)
・先端の曲げる部分だけに切り込みを入れていく。
・くし状になった場所に薄い木片を挟み込む。
・加圧加工で曲げる。
・断面を平滑に加工する。

曲げる部分のみを成形合板にするのは、職人技によって受け継がれる、唯一の確かな技術。