アアルトの自邸から10分ほどの場所。
1955年、自邸のスタジオからスペースを求めて建てたアトリエ。
現在はアアルト財団のオフィスとして利用されており、今もなお現役の建物。自邸と同じくガイドツアーの時間に行き、アアルト財団のスタッフから説明を聞きながら内部を巡ります。(英語)
アアルト財団 (Alvar Aalto Foundation)
http://www.alvaraalto.fi/index_en.htm
アアルトのアトリエ(STUDIO AALT)
http://www.alvaraalto.fi/studioaalto.htm
行き方については、こちらに。
アアルト自邸とアトリエ − 行き方
1階に展示スペースやキッチンと食堂があり、食堂は増築された部分。
2階はスタジオとミーティングルーム、中庭を望む大きな窓のホールがあります。
1階食堂
現在もアアルト財団のスタッフが利用しています。
キッチンの棚は手前からと奥から、
どちら側からも出し入れが出来る工夫。
2階スタジオスペース
自邸のスタジオと同じく高めの窓。柔らかい光が天井に沿って間接光にもなり、明るく包み込む空間。現在は奥の方がオフィスとして利用されています。
当時の様子(スタジオ展示物より)
この場所に佇んでいると、じんわり足元が暖かいことに気づきます。理由は、1955年に出来た当時から、床暖房が入っているため。
当時は靴のまま過ごしていたようですが、現在、ここで働く財団スタッフの方々は靴を脱いで、半世紀以上も前に考えられた暖かさを直に享受しながら過ごしているようです。
アアルトのデスク
手描き図面時代の道具と素材のサンプル。
ミーティングスペース
図面の数々も壁に収納されています。
白い壁のある中庭
劇場としてレクチャーをしたり、白い壁には映像を投影していたとか。壁を中心にして弧を描いた階段(観客席)が続いています。
2階スペース
中庭にある劇場から続いた場所に、カーブがそのまま呼応するような大きな窓のあるスペース。プロジェクト最終段階でミーティングをしたり、照明テストをする作業場所だったよう。
当時の様子(スタジオ展示物より)
この中庭の劇場にも見られるように、アアルト建築では、扇風機の羽のように扇形の「フィン」の形がよく見られます。後に設計された、セイナヨキ教会、タウンホール、シティライブラリー、フィンランディアホールに至るまで、フィンの形。
パイミオチェア
パイミオにある、サナトリウム(結核療養所)で使われたデザインの椅子。結核患者が楽に呼吸ができる座面の角度になっているとか。手前にあるテーブルの脚の付け根もフィンの形。
アアルトの曲線には、どこか人に安らぎを与えてくれる優しさがあるようです。