エストニア国立博物館 -Estonian National Museum Vol.3 展示

2016年10月にオープン、
開館に際して設けられた2つの常設展。

常設展のひとつは「エコー・オブ・ウラル」。
少数民族であるフィンノユーグリック(フィン・ウゴル語話者)の文化を紹介する展示。

もうひとつの常設展は「出会い」。
現代から氷河期までの歴史を辿る展示。

展示説明は基本的にエストニア語。
そのためインフォメーションセンターでは、翻訳センサーのついたカードを借りられます。(英語のほか数カ国語。日本語無し)

説明ボードの菱形マーク部分にカードを重ねると、そのカードの言語が表示されます。
IT先進国のエストニアらしい展示方法。

「Echo of Urals(エコー・オブ・ウラル)」は、
展示ゾーン左側にある、木製の扉から。

はじめに、ウラル語の木
言語はどこから来て、どのように派生する?
ルーツをたどる映像とマップ。

その後、展示空間のある地下に潜っていきます。

エコー・オブ・ウラルの展示空間は、DGT.とHGAも展示コーナーの設計に参画し、五感を使いながら文化を感じていく展示の数々。

伝統的なフィンノユーグリックの家を再現。
食べる、寝る、話す場所は、素朴ながらも豊かな空間。
ふと耳をすますと・・・誰かがいるようです。

エストニアの伝統のひとつ、刺繍。
手仕事の温かみある民族衣装に包まれて、
どこか動き出しそうなお祭りの雰囲気で。

この博物館の人形は、人間らしい動きをしているのが特徴。1階も2階も、いろいろな所にいて、何とも楽しげ。

スモークサウナの小屋
寒い北国、つましい生活にある工夫や文化。
ヴォル地方のスモークサウナ文化は、2014年に無形文化遺産にも登録。

深い森は、自然の動物たちとも隣り合わせ。
熊の出没スポットは、子供にも人気。

この地下展示室は、先住民と同じ目線で体験するような、1つの物語の中に入り込むような世界観と、シークエンスに導かれていることに気づきます。

先住民の文化をじっくり感じたあとは、
地上階にある展示スペースへ。

地上階の常設展「Encounters(出会い)」は、博物館の奥まで走る縦長の大空間。「時間の回廊」では氷河期から現代まで、時間軸にそって展示。

  

現代を表す展示の始まりはエストニア発祥、Skype開発者のイスから。
歌う革命、Baltic Chainのマップ写真や映像も。

必見の展示室の一つは奥の方にも。

  

博物館ではコレクション保管も重要な役割、との意図から、地下倉庫を眺めながら歩ける開架書庫。歩く感覚が呼び覚まされるような場所。

木製ビアマグは1リットルくらいの大きさ。昔のビールは薄かったともいわれているそう。

  

子供の参加作品コーナーや、
体験しながら理解する展示もいろいろ。
自然と人が集まるのは体験型の楽しさならでは。

博物館のガラスを通して、自然と向き合う空間。

夏には、青々とした空と緑。
冬には、雪景色をのぞむ展示室。

展示室も展示物も、バラエティ豊かで
じっくり見るには1日では足りないほど。

多様な空間を包み込んでいる博物館は、
今後のさまざまな活動を通して、
これからも発展していくのかもしれません。

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